サインツ初優勝もまたしても戦略に足を引っ張られたルクレール
イギリスGPの決勝レースは、スタート直後のアクシデントによって2時間を超える長丁場のレースに。
周冠宇はマシンがひっくり返り、フェンスまで転がっていく身の毛もよだつ事故でしたが、レース再開前に無事であることがアナウンスされました。
その後、喋りながら歩く姿も確認され胸を撫で下ろしました。いやぁ、本当に良かった!!
周の確認に行くためにマシンを降りたラッセルもリタイアになってしまったけど、優しさと気遣いが見てとれて良かった。
まぁ、今回の場合、クラッシュの1番の原因と言えるのが彼自身ということもありますが。
戻って修復すれば出れた可能性もあったけどマシンは吊り上げられ、ルール上は再出走不可ということで母国GP無念のリタイア。
話は優勝争いの方に入りますが
カルロス・サインツが何度もトップの座を明け渡したり、取り戻したりしながらも、最後はSCも味方につけて紆余曲折の初優勝をポール・トゥ・ウィンで達成しました!
再開後にべケッツでコースアウトしてフェルスタッペンに抜かれた時は、今日もダメか、、、と思ったんですが、フェラーリの戦略は今回もルクレールに敵対した。レースの展開は今回ばかりはカルロスに味方した。
レース中には後ろにルクレールも迫るなか、たびたび彼に向かってチクチクと無線で告げられる。
"カルロスー、もうちょっとプッシュしてー。"とか
"ターゲットタイムを超えられないなら順位入れ替えるよ〜"とか。
おそらく前のコースアウトで若干のダメージを抱える中、なかなかドライビングに集中させてもらえませんでした。
チームとしても難しい状況。サインツから簡単に初優勝を取り上げることも出来なかった。かといって後ろから復調して迫り来るメルセデスのハミルトンは脅威だったし、難しい判断を迫られていました。
この辺り、フェラーリが強かな判断が出来ないことが後にレースの結果を大きく変えてしまった。。。。
その後あからさまなチームオーダーを避け、先にサインツをボックスさせるという形でルクレールの道を拓きました。
それでも二人ともタイヤ交換を終えた段階でやはり位置関係は変わらず、サインツ→ルクレールのオーダーに。その場しのぎの対応をしただけで、結局状況は変わらずフェラーリとしては頭が痛い戦況に戻る。
29周目にルクレールへの無線。
"カルロスと自由に戦っていいよー"と告げられる。
もう多分チームとしては、「初優勝もかかるカルロスにこれ以上あれこれ言いたくねぇよ、、、実力で抜いて言ってくれ」が本音かと思われます。
しかし、タイヤライフが徐々に減ってきた上でのバトルは危険だし、後半に勝負を仕掛けてきそうなハミルトンとやり合う為にはここでタイヤを無くしていく訳にはいかないと判断。
フェラーリは二人の順位をチャールズイズファスターザンユーすることを決断します。
ハミルトンが遅めのタイヤ交換を終えると、トップ3はルクレール、サインツ、ハミルトンの順になります。
ハミルトンがファステストラップを更新しながら徐々に赤の2台とのギャップを詰めてくる!久々に発動されたHammer Time!!!
しかし、
その後オコンのリタイアによってSCが発動!!
そこでサインツとハミルトンがフリーストップで元の順位のままでソフトタイヤに交換!
対するルクレールはステイアウトしこの時点でほぼほぼ事実上の優勝候補から脱落。
1番新しいタイヤのハミルトンVSフェラーリの2台の筈だったのに、
ルクレールがステイアウトという謎判断をとってしまったことにより、
フリーストップを得たサインツVSハミルトンVS優勝戦線に復帰したペレスの優勝争いとなりました!
レースの再開時はルクレール、サインツ、ハミルトン、ペレスというオーダー。
しかし、リスタートすぐにソフトタイヤの爆発力を活かしてサインツがルクレールを交わした!
ターン5出口で並走しルクレールはダートに片輪を落とす!ウェリントンストレートで食い下がりターン6で抜き返しを試みるもサインツが前!!これで優勝はほぼ確実に手中に収めた状態になりました!
その後、ルクレール、ペレス、ハミルトン、その後ろアロンソ、ノリスまで数珠繋ぎ。
まるでゴーカートでも走られているかのように接近戦が繰り広げられ抜きつ抜かれつの攻防!!
最後の数周めちゃくちゃ見応えのあるレースでした!!ハミルトンがその中に居ることもあると思うけど、歓声も凄かったから盛り上がりがやばかった!(語彙力、、、、)
しかし、フェラーリはまたやってしまいましたね。
モナコでおんなじようなことやってしまったばっかりだろう!!! 今回の件ばかりは結果論とは違う気がします。
1番前に居るものは動きづらいのは分かりますが、この間似たようなミスをしたばかりで、しかもトラックポジションが超重要なモナコとは違うのだから、、、、
後方が一緒に動いてもイコール、後方が動かなくてもタイヤは絶対有利という状況になれた筈なのに。
それに順位のスワップが遅かったこともこの結果に一因している。ルクレールとサインツの間隔はダブルピットが容易なほど開いていなかったのです。
サインツには申し訳ないけど、もう少し早くルクレールを前に出していたならダブルピットに十分な感覚があったかもしれないし、ルクレールもボックスさせる思考になれたかもしれないですよ。
1-2をみすみす1-4に変えてしまうようでは、レッドブルの背中は遠いと思うなぁ。
まぁしかし、何はともあれ、これでサインツが待望の初優勝!!この一勝は彼自身にとって大きな意味があるかもしれません。
チームとしても安定感のあるフェルスタッペン×ペレスのコンビに立ち向かうにはサインツにも自信持って立ち向かってもらう必要があると思うので、今後の彼の走りに期待しましょう!!