F1村でごゆっくり

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技術調整が施行されるベルギーGPからの勢力図はどうなる???

今週で長い夏休みも明けてシーズンの後半戦に突入します!


私も、暑さと多忙さゆえに体調を崩してしまいしばしの夏休みを頂きました。まだまだ暑い日は続きますから油断は禁物ですが、気合を入れ直し頑張っていきます!




このサマーブレイク中に、ストーブリーグが加熱していくと思っていましたが、ピアストリのアルピーヌ突っぱね事件以降で目立った進展はありませんでしたね。話題という話題が少なくネタに困ってしまっていたのも事実。




今回は次戦開催されるベルギーGPから振動測定やフレキシブルフロア禁止の厳格化などの技術調整が適用されるにあたって、その影響や勢力図の予想をしていこうと思います。





メルセデスには逆風の措置???


今回の調整は、そもそもバウンシングに1番悩まされていたメルセデスが発端となった変更。政治的な働きを駆使して、バウンシングによって「ドライバーに健康的な懸念がある、ルール調整によって対応すべき」と働きかけたことが始まり。



メルセデスは、全車に共通でフロアの最低地上高の値を上げることを望んでいました。



そうすれば、全てのマシンが同様にダウンフォース量の低下と引き換えにバウンシングが減ります。



しかし、この措置にはバウンシングを上手く制御してきたチームには当然面白くないし、あまりに傲慢な主張です。



そこでFIAがとった解決法は、センサーによるマシンの垂直方向の振動の測定



これによって、振動が基準値以上だった場合に不安全車両として車高の底上げが余儀なくされるというものです。


メルセデスが目論んでいたものと違い、"車両ごとにバウンシングが酷い場合に相応の措置を取りなさい"というもの。




しかし、メルセデスのw13はイギリスGPあたりから症状を解決しつつあり、あまり激しいバウンシングは起きていません。



シーズン中盤は、公道を使ったサーキットが無くパーマネントのサーキットばかりだったということもありそうです。



彼らにとってはあまりいい措置ではないですが、バウンシングを制御しつつある為に、「このような調整を取り入れることに満足だ」と誤魔化したようなコメントをしている、、、





次戦のスパ・フランコルシャンは一度大きく登って、コース後半は下っていくアップダウンのあるサーキット。


路面のうねりや傾斜面とフラット面の継ぎ目や縁石によってマシンがどんな動きになるかが見ものになります。



また、もう一つの措置としてフレキシブルフロアの禁止。



車高を上げてもフロアやスキッドプレートに柔軟性を持たせて走行中にたわませることによって路面に近付けることが出来ますが、これを以前よりも厳しく取り締まるというもの。




メルセデスのマシンは全チーム中、1番フレキシブルなフロアを使用しているという噂がある為、振動の値をクリアしていても、パフォーマンス低下は逃れられない可能性があります。




その真偽は分かりませんし、他のチームが打撃を受ける可能性もある為、実際に勢力図の変化はどうなるか判断するのは難しいですね。






なんだかんだ、そこまで大きく勢力図は変わらない???




今回、話題として上がるのがメルセデスのマシンというだけで、どのチームも大なり小なりフレキシブルな機構を設けているのではないかと思います。



事実、フェラーリはその技術調整が行われる場合には「少し変更が必要」だと認めています。



この週末は今まで同様に、フェラーリレッドブルがリードしていくことに変わりはないと予想します!



夏休み期間中の開発でアップグレードされたことによってどう変わるかが楽しみですね!

【用語】前半戦のトレンドワード、ポーパシングをおさらい 2023年のレギュレーションは??

2022年のF1シーズンも早くも13戦を消化し、サマーブレイクに突入しました。



ドライバー達はみんな、それぞれのバカンスに向かって鋭気を養ったり、契約交渉に臨んでいることと思う。


今年の前半戦でのトレンドとなったワードといえば、
やはり、グラウンドエフェクトカーになったことによるマシンの上下運動のポーパシングではないでしょうか?


(porpoise=ネズミイルカ:海面に沿って上下に泳ぐ姿が由来)


どのチームもポーパシングによっての車体の上下の動きに大なり小なり手を焼き、"対策や軽減する方法"について追われていました。



今回はその"ポーパシング"について、どのようなものか、ざっくりとおさらいしてみようかと思います!!





ダウンフォースを得る仕組み



ポーパシングの話に入る前にグラウンドエフェクトカーがダウンフォースを発生させる仕組みについて先に少しおさらい。





現行のグラウンドエフェクトカーは、


マシンのフロアの下に大量の流れの速い空気を取り入れます。



そして、その取り入れた空気がより速く後ろに抜けるように、マシン後方下部に取り付けられたディフューザー(整流板)をとおって、高速で後ろに処理されていきます。


台風のニュースを見ると分かるように、大量の空気が速い速度で動いている場所は、気圧が低くなります。


したがって、

マシンの下部は気圧が低い状態になります。



逆に、高い気圧というのは、気圧が低いところに行こうとします。


なので、マシン上部の気圧の高い空気は、マシン下部の気圧の低い方に下がろうとするので、それが車体を路面に押し付ける力=ダウンフォースとなるのです。




2021年までのマシンもフロア下の気流でダウンフォースは発生させていたので、広義ではグラウンドエフェクトカーなんですね!




それが今年からは、


マシン外観についていたさまざまな空力パーツを外し乱流を抑えることで接近戦を可能にし、



変わりのダウンフォースをフロア下でしっかり稼ぐ!




というのが今年からのグラウンドエフェクトのマシンコンセプトになったのです!




ダウンフォースを得る、失うの繰り返しでポーパシングが起きる




各チームとも、フロア下でのダウンフォースをしっかり得るために、出来る限り車高を下げることを試みます。



そして、ポーパシングは基本的にダウンフォース得る失うという工程の繰り返しで起きます。



ダウンフォースを得る


マシンが走行を始めると、大量の空気を取り入れてダウンフォースが発生して車体が地面に押しつけられることで、更にフロアは地面に接近します。そして、更に更に強烈なダウンフォースを得ます。




ダウンフォースを失う


一度、車高が極限まで下がると今度は、



フロアと地面の幅が狭くなりすぎて、空気の流れが滞ってしまいます。


一度に流れることが出来る空気量にも限界がある為、"これ以上は通れないよー"という状態になるんですね。



そして、滞ってしまった空気はマシンの横(フロアエッジ)へと漏れていきます。



そうすると、一時的にフロア下を流れる空気が減ってしまい気圧は高くなりダウンフォース量が減って車高が高くなります。



この①と②のダウンフォースを得る、失うを繰り返すことで車高が上下し激しいポーパシングが起こるわけです!







この一連の流れの中で路面の凹凸によって更に車高が変化すると、ダウンフォースを得る量と失う量の幅が大きくなり、より多くのポーパシングになります。



路面の凹凸の影響は今年の"特に"前半でメルセデスのマシン"w13"が激しいポーパシングが起きている中、比較的路面がフラットなコースでは、それが少なく安定していたことからも分かるかと思います。






よく一緒に使われる言葉にバウンシングがあります。



空気の流れの影響で車体が跳ねること全体をそう呼んだり(一般的に言われるポーパシングと同義)、




"ポーパシング現象(ダウンフォースの得失)が原因で車がバウンスする"(車体が上下する)というように、あくまで原因と症状の関係の言葉である、とする場合もあります。



グラウンドエフェクトの弊害であるポーパシング、でもそれが多いってことは?



ゼロサイドポットを採用し、空気をより後方へ流そうして生み出されたメルセデスのマシンは当初、最もポーパシングに悩まされていました。



両ドライバーとも身体への影響を訴え、アゼルバイジャンGPのゴール直後には背中の痛みによってハミルトンがすぐにマシンを降りられないほどでした。




しかし、ポーパシングが激しいということは、それだけマシンが得る絶対的なダウンフォース量は多いということ。



同じくストレートでのポーパシングが多いフェラーリは中高速のコーナーで圧倒的な速さを見せています。


メルセデスの場合はよりポーパシングが発生する速度がより低速で出始めていた(250km/h前後)ことからフェラーリのような安定感がなかったんですね。




そんなメルセデスのマシンもポーパシングが徐々に減ってきて解消されつつあります。



もしこれから、完全に解消することができて、




現在ネックになっている直線スピードの遅さを取り戻すような空力効率を得た時、



それは再びメルセデスの時代が始まる、、、、




やもしれません。




が、2023年のレギュレーション調整が行われると、
それはいかに。




2023年のレギュレーションはどうなる?




2023年のレギュレーションでは、



ダウンフォース量が大きく変化する危険性、ポーパシングによるドライバーの身体への影響を抑えることを主な目的としたレギュレーションの調整が行われようとしています。



よりポーパシングによって厳しい戦いを強いられたメルセデスによる政治的な動きが関係しているということもあるでしょうが、




実際の調整内容が彼らに有利に働くか無理に働くかは分かりません。




検討されている調整の内容は、



マシンのフロアエッジ(車体フロアの1番横端)の高さを25mm引き上げ、キックポイント(フロアとディフューザーの境目)の高さも上げることでダウンフォースを削減する。




フロアエッジを引き上げると、今度はフロアをたわませることによって高さを下げようとする可能性がある為、たわみテストを厳格に実施。



更にバウンシングの量をセンサーによって、モニタリングする、


というのが現在検討されている内容になっています!





レッドブルをはじめとしたポーパシングを比較的うまく対処していたチームはこの調整には否定的




まぁ、上手くやったのにそれが台無しになるテコ入れをよく思わないのは当然ですが、



安全上の理由と言われると仕方ない。
安全上の理由なら、、、、ね







この変更によりダウンフォースが削減されるわけですが、


ルールの抜け穴を利用して、ダウンフォースを取り戻す為の奇抜なデザインが登場することを危惧している者もいます。




確かに、博士のような者たちが知恵を絞ってマシンがデザインされるわけですらねぇ。




すぐに同等のものか、はたまたそれ以上のダウンフォースを生み出す変態デザインのマシンが登場する可能性はありそうです!




まだ、検討されている変更内容はチームの合意が必要なのでまだ確定されていませんが、今後どのように調整がなされるか、様子を伺いましょう!

気が早いけど2023年のラインナップ

ベッテルが突然の今季限りの引退発表を行ったことによって、F1は早くもストーブリーグが始まりました。



トップチームは来年もラインナップを継続することが決まっているが、中団グループ以降のチームはまだ確定していないシートが多い。



マクラーレン入りが噂されている、オスカー・ピアストリをはじめとして、


契約の有効性離脱条項などによってシートが決まっていてもチームを離れることが可能なドライバーもいて、まだすんなりとは決まらない可能性もありそうです。





2023年暫定ドライバーラインナップ


チーム No. ドライバー
レッドブル 1(33) M.フェルスタッペン
11 S.ペレス
メルセデス 44 L.ハミルトン
63 G.ラッセ
フェラーリ 16 C.ルクレール
55 C.サインツ
マクラーレン 4 L.ノリス
※3 ※D.リカルド
アルピーヌ 31 E.オコン
TBD TBD
アルファタウリ ※10 ※P.ガスリー
TBD TBD
アストンマーチン 14 F.アロンソ
18 L.ストロール
ウィリアムズ 23 A.アルボン
TBD TBD
アルファロメオ 77 V.ボッタス
TBD TBD
ハース 20 K.マグヌッセン
TBD TBD
TBD=まだ確定していない。

※=契約が残っているものの、チーム・ドライバーのどちらかが解除条項の行使により離脱する可能性がある。



トップ3チームは、現行のラインナップを継続することがすでに決まっています。



完全に確定している(であろう)シートは、13個。



解除条項によって動きがある可能性も含めて確定していないのが7つのシート。




片方のシートが確定していないのが、




ガスリーの契約の解除条項によって、離脱の可能性があるとされていて両方のシートが実質未確定なのが


  • アルファタウリ




今年乗っているドライバーでまだ確定していないドライバーは、

  • D.リカルド
  • P.ガスリー
  • 角田裕毅
  • N.ラティフィ
  • 周冠宇
  • M.シューマッハ


の6名。


ベッテルの引退によって1人は新人ドライバーの参入することが確定しています。






確定してないドライバー・チームの状況



ダニエル・リカルド

2021年F2チャンピオンのオスカー・ピアストリマクラーレンと契約しているという噂があってからというもの、リカルドは2023年の契約を保有しているにも関わらず立場が危うくなってしまいました。アルピーヌに復帰するか、それとも?


ピエール・ガスリー

まだ決定していない6名の中ではまだ安心できる立場です。本人が離脱を望まない限りはアルファタウリのシートを手中にある。"このチームより上位のチームからのオファーがあった場合に離脱できる"という解除条項があるとか。飼い殺し状態のレッドブル系列を出て、母国チームのアルピーヌ入りを狙うか?私個人としてもそれが見てみたいです。


角田裕毅

昨年よりもガスリーと拮抗した争いが出来て上回れることが多くなってきました。恐らく来年も継続できるとの見方が多いですが果たしてどうか。両方ともドライバーを入れ替えることがリスキーだということを考えると、ガスリーが移籍を画策してくれたほうが角田としては安心かもしれませんね。



ニコラス・ラティフィ

母国GPであるカナダGPあたりから、たびたび解雇の噂がありました。今年のパフォーマンスでは新加入したアルボンに溝を開けられていてミスが目立ちます。シートの喪失は時間の問題かもしれません。後釜にはメルセデスの育成ドライバーの ニック・デフリース が噂されています。



周冠宇

まだ契約はしていませんが、おそらく継続かな、と。開幕してから暫くはチームメイトのボッタスに先行を許していましたが、シーズンが進むに連れて少しずつ差が無くなり、時折上回る速さも見せています。一年早くF1に来た角田やミックにも内容では負けていないと思います。ただ、アルファロメオが「意外と中国のスポンサーが増えない」と嘆いているようですがそれが影響するかどうか。



ミック・シューマッハ

最近はやっとF1のクレバーな戦い方が出来てきて上昇傾向にあります。しかし、今までにマシンを大破させることが多すぎたからか、 ハース代表シュタイナー からは苦言もチラホラ。契約交渉も一時停止しているとか。フェラーリの代表ビノットからは、もはや競争力を確信していないと言われてしまう。メルセデスレッドブルなど別系列のプログラムに参入する可能性も考えられ、巷ではアルファタウリ入りを噂されています。








以上の6名のドライバーがまだ未確定の状態です!




リカルドガスリーの実績の多い2人がどこに行くのかでそれ以外のシートに大きく影響しそうな気がします!





ミックに関してはフェラーリから結構辛辣な評価を受けていて、ハースも来年のラインナップ確定を急がないとして契約交渉を停止中。




フェラーリが仮にミックに愛想を尽かしているならハースは無理に乗せる理由が無いですからね。




ベッテルの口利きでレッドブル系列へ加入か、自身の地元ブランドでミハエルが乗っていたメルセデス系列へ加入か、と噂が絶えない状態!






まだまだ、2023年のラインナップ戦線は予断を許さない状況です!!!

アルピーヌ「ピアストリをF1に昇格させる」ピアストリ「来年僕はアルピーヌをドライブしない」???


アロンソ、アストンと複数年契約、アルピーヌは予想だにせず困惑




ベッテルの後任として、アストンマーチンと複数年契約を結んだアロンソ



単年契約(+オプション1年)を提示するアルピーヌとの交渉を蹴り飛ばした!!



これには、アルピーヌチーム代表のオトマー・サフナウアーも不意を突かれた形に。



彼はアロンソの移籍をアストンマーチンのプレスリリースで初めて知る事になったのです!



アロンソはオプションが1年(パフォーマンス次第で更に契約延長)あったとしても、F1に"長く""確実"に居続けるということにこだわった。



サフナウアーは、アストンマーチンアロンソに興味を持っているということも、何らかの話し合いを行なっているであろうことも知っていたと言います。



その上で、契約内容の「年数以外」の細かい点を煮詰めればアロンソとの契約に至ると踏んでいたようです。



しかし、長々と話し合うことを嫌い契約するかしないか"Yes or No"でさっさと白黒つけたいアロンソは、夏休みに始まるハズだった交渉を前に、移籍を決定しました。





そういえばアロンソハンガリーGPの時に、アルピーヌとの契約の話は"10秒で終わる"と言っていましたが、これはそういう事だったですね!笑



でもこれだと、実際には10秒どころかって感じですけどね、、、笑




リザーブで2021年F2チャンプの
ピアストリ昇格が既定路線と思いきや??



アロンソの離脱が決定した翌日に、アルピーヌはリザーブドライバーのオスカー・ピアストリをレギュラードライバーに昇格させ、契約"する"と発表しました。



"契約した"ではありません。

"契約する"、、、、です。



まぁ、兼ねてからF1昇格は本人にとっても祈願ですし、



アロンソが契約を続行する場合、他チームへのレンタル移籍や、リカルドの後任としてのマクラーレン入りなどをマネージャーであるマーク・ウェバーを通じて模索していました。



ようはこの発表はアロンソが抜けたことで



「我々がピアストリと契約する。だから他のチームは彼から手を引け。」という牽制の意味合いを込めた発表。





しかし!!



ピアストリ本人は、Twitterで2023年アルピーヌでドライブすることを否定したのです!!



「僕の同意無しにアルピーヌが来年僕がこのチームでドライブするとリリースしたが、これは間違っている。僕は2023年の契約を結んでいないし、来年アルピーヌF1のドライバーになることはない」


と、Twitterに投稿。




通常、契約発表などを公にする際は、チーム代表と契約したドライバーの両方からコメントがあるはずなのに、、、




今回、ピアストリのコメントは添えられていませんでした!




しかし、何処とも契約していないのであれば自分が昇格する話には乗り気なはずなので、どこかと契約が既に締結されていると考えるのが自然で、




どうやらマクラーレンとの契約が既に済んでいるようなのです!!!




そうなるとリカルドが抜けることになるし、アルピーヌはもう一人のドライバー探しが急務になる。




いずれにせよ、アルピーヌ側がアロンソにもピアストリにも、「もうこれ以上は待てない」と思わせてしまったことで、


どちらのドライバーにも逃げられる形になってしまったのは間違いないでしょう。






ピアストリとアルピーヌの契約は2023年まで残っているという話もあるし、


2022年の7月をもって、契約を解除できるオプションがあったという話もあります。



この騒ぎをめぐって、マクラーレンはまだ何も発表もコメントも無し。しかし、本当に契約しているのかはまだ確定ではないのでわかりませんが、正式発表の前にここまでゴタゴタするのはマズイですね。





この騒動の真相はどうなのか我々にはわかりませんが、全てのラインナップが確定するまでには、まだまだ一悶着ありそうです!!

ドンピシャの戦略を立てたレッドブルとチグハグなフェラーリ

フェルスタッペンが10番手スこタートからの大逆転で優勝したハンガリーGP。



ハンガロリンクは壁のないモナコと言われるだけあって中低速のコーナーの連続。



大方の予想では順当にいけばコーナリングに優れるフェラーリの2台が週末をリードするものと考えられていました。



今回の勝敗を分けたのは、紛れもなくタイヤ選択と交換のタイミングです。



今年に入って変わったタイヤルールと持ち込みタイヤ


ハンガリーGPでの上位勢のタイヤ戦略がどんなものだったか、の話をする前に今年から変わっているルールと、トレンドについて触れておきますね!



去年までは予選でQ3に進出した10台のドライバーは、 Q2でタイムを出した時のタイヤでスタート する決まりがありました。





しかし、このルールが今年から撤廃!


全車とも、スタート時のタイヤに縛りがなくなりました!



その為、今年からはミディアムタイヤをベースに考える作戦がほぼ定石のようになっていて、



そこから、ハードタイヤに変えるのが最早主流のタイヤ戦略になっています。



現在のタイヤコンパウンドは固い順にC1からC5まであり、グランプリによって連なった3つのコンパウンドが基本的に持ち込まれています。(一部例外あり)



その3つのコンパウンドのうち、1番柔らかいものをソフト、中間のものを、ミディアム、1番固いものをハードと呼んでいるわけですが、




レース終盤にセーフティカーが入るなどして、急遽残り周回をソフトで走ることになった場合などを除いて、


元々の戦略としてソフトタイヤを活用したレースは


ハンガリーGPを迎える前までの12戦で、1番固い組み合わせのタイヤ(C1〜C3)が持ち込まれたバーレーンGPとスペインGPだけなんですね!



それくらい今年に入ってからソフトタイヤの活用はされなくなっているんです!



ただ、ハンガロリンクの週末を除いて、、、


ハンガリーGPはC2〜C4の中間の組み合わせ)



レッドブルはレコノサンスラップでハードは使い物にならないと判断



予選でトラブルや不運もあって、10、11番手スタートになったレッドブルはどのような戦略で上位を切り開くか考えていました。



そこで彼らは当初、ハードタイヤでスタートして第1スティントを長く走ってチャンスを待つ作戦を取ろうとしていたのです!



しかし、ガレージを出てダミーグリッドへ向かう途中のレコノサンスラップでレッドブルの戦略は大きく変わることに。



時折、小粒の雨も落ちるような曇天で低温のハンガロリンクのトラックは、ソフトタイヤですら、まともにグリッドを感じられないレベルのコンディションだったのです!



これを受けてハードタイヤは今回のレースでは使い物にならないと判断し急遽ソフトとミディアムで戦い切る作戦に変更!


そして、タイヤの選択もタイミングも見事にドンピシャで逆転優勝をもぎ取ったのです!






上位6台のタイヤ使用遍歴



ドライバー タイヤ使用履歴 周回数
フェルスタッペン ソフト(中古) 17周
ミディアム 22周
ミディアム 32周
ハミルトン ミディアム 19周
ミディアム 32周
ソフト(中古) 21周
ラッセ ソフト(中古) 19周
ミディアム 23周
ミディアム 31周
サインツ ミディアム 17周
ミディアム 30周
ソフト(中古) 26周
ペレス ソフト(中古) 18周
ミディアム 24周
ミディアム 28周
ルクレール ミディアム 21周
ミディアム 18周
ハード 15周
ソフト(中古) 19周



上位6台のハンガリーGPでのタイヤ使用履歴はこのように。



ん???



レッドブルが今回は使用はありえないと言っていたハードタイヤを使っているドライバーが居るではないか!



そう、ルクレール、、、


元々、高温の時にタイヤの保ちに分があるフェラーリは、裏を返せば低温時に作動温度まで上げるのに他よりも苦労する側面があると思う。



案の定、ラップタイムは上がらずマックスに抜かれ、迫り来るメルセデスの2台にも抜かれてしまいます。




しかも、アルピーヌの2台が1ストップ作戦を狙ってハードを使い、そのタイムも好ましくないのが分かっていながらだ。



おまけに、そのハードタイヤに見切りを付けて3度目のピットインでソフトに変えるというチグハグっぷり。


元の順位に戻れることなく6位でフィニッシュした。


疑問はハードタイヤの使用だけではありません。



誰よりも長く第1スティントを引っ張ってタイヤを変えたにも関わらず、そのタイヤを早々に捨てたこと。


フェルスタッペンが2回目のタイヤ交換を行なってアンダーカットしてくることに反応した結果がこれです。


フェルスタッペンを"見すぎた"
これに尽きるかと思います。



レッドブルメルセデスの4台のタイヤの使い方を見ると分かると思いますが、



タイヤを使う順番に違いはあっても、その内訳はだいたい一緒。



フェラーリだけが、ルクレールにハードを履かせてみたり、サインツに中古ソフトで26周もさせてみたり。    



その日のコンディションによるタイヤの働きを理解せずチグハグな戦略で、勝てるか若しくは表彰台には上がれたであろうレースを落とした。。。。。




対象的なのは、フェルスタッペンとハミルトン。



フェルスタッペンは、 優秀な女性ストラテジスト であるハンナ・シュミッツを大絶賛し感謝を述べました!


10番手スタートから、見事にトップに返り咲く作戦を積み上げ、フェルスタッペンもそれに応えた!



彼らは"自分達のレースをした!



レースをゴールまでのタイム競争として見た時に、どの作戦が一番早くゴールまで到達出来るかを考えた。



そして、コース上で出会うマシンに関してはフェルスタッペンとハミルトンに全てを託した。



チームとドライバーが一体になって 、なし得た大逆転優勝とだと思います!!


表彰台前のクールダウンルームではハミルトンがレース中の映像を見て、「彼らはハードタイヤを履いたの!?」と驚きのリアクションをしていました。。。



去年バチバチにタイトルを争って、時に会心のピット戦略で完全に相手の動きを封じたり封じられたりしてやりあった2つのチームの上手さ、強さ。



この強かさが、跳ね馬軍団にも欲しいところでございます。

F1 2022 ハンガリーGP決勝リザルト 【大逆転】

Ps Driver Team Time
1 M.フェルスタッペン レッドブル 1:39:35.912
2 L.ハミルトン メルセデス +7.834
3 G.ラッセ メルセデス +12.337
4 C.サインツ フェラーリ +14.579
5 S.ペレス レッドブル +15.688
6 C.ルクレール アルピーヌ +16.047
7 N.ノリス マクラーレン +1:18.300
8 F.アロンソ アルピーヌ +1Lap
9 E.オコン アルピーヌ +1Lap
10 S.ベッテル アストンマーチン +1Lap
11 L.ストロール アストンマーチン +1Lap
12 P.ガスリー アルファタウリ +1Lap
13 D.リカルド マクラーレン +1Lap
14 M.シューマッハ ハース +1Lap
15 周冠宇 アルファロメオ +1Lap
16 A.アルボン ウィリアムズ +1Lap
17 K.マグヌッセン ハース +1Lap
18 N.ラティフィ ウィリアムズ +1Lap
19 角田裕毅 アルファタウリ +2Laps
20 V.ボッタス アルファロメオ Retire
ファステストラップ L.ハミルトン 1:21.386


・タイヤ選択とピット戦略が功を奏したレッドブル×フェルスタッペン10番手スタートから逆転優勝!!今季8勝目!!


・フェルスタッペンは途中でクラッチの問題を抱えてスピンを喫し、パフォーマンスにも影響があったがそれでもルクレールを抜き返して勝った!タイヤはSMM



・対照的なのはフェラーリ。戦略が全く上手くいかず2台とも表彰台から転落、、、、


・中盤トップに立ったルクレールだったが、履いたハードタイヤが全く機能せず、、、後退。3度のピットストップを行う羽目に。タイヤはMMHS


サインツは第2スティントを長めにとり、中古ソフトに履き替えたが少しタイミングが早すぎたか、ラッセルに抜かれ、同じようにソフトタイヤに変える戦略とったハミルトンにも追い抜かれ4位に。タイヤはMMS




・ハードタイヤのペースの悪さから、ソフトタイヤでスタートして戦略にハードタイヤを入れなかったことがレッドブルにとって結果を良くしました。



ハミルトンは7番手スタートからの逆転で2位を獲得!上位2人のレースクラフトが光った結果に!



ラッセは残念ながら初優勝とはなりませんでした。序盤フェラーリと戦ったことで結果的に戦略でハミルトンに先に行かれましたが、今後に期待です!



・引退の発表があったベッテルが後方からの追い上げで10位に入賞しポイントを獲得!!






このレースでチャンピオンシップは、フェルスタッペンとルクレールの差が80点にまで広がりました。



ここでは、フェルスタッペンも"表彰台辺りまで戻れればいい"と踏んでいましたが、まさかの期待以上の結果を手にして夏休みに入ります。



コーナーの多い曲がりくねったハンガロリンクではさすがにフェラーリが1-2を決めるだろう!というのが大方の予想でしたが、、、



またも、うまくいかなかった跳ね馬軍団。。。



フェルスタッペンどころかメルセデスの二人にまで先を越されてしまう。



フェラーリ×ルクレールにとっては、かなり厳しい状況に追い込まれました。






ここから1ヶ月の夏休みを経て、次戦は第14戦ベルギーGPです!



ハンガロリンクとはまた違ったパワーサーキットでもあるスパ・フランコルシャンではどんなレースになるでしょうか??

F1 2022 ハンガリーGP予選 リザルト【初PP!!】


Ps Driver Team Time
1 G.ラッセ メルセデス 1:17.377
2 C.サインツ フェラーリ 1:17.421
3 C.ルクレール フェラーリ 1:17.567
4 L.ノリス マクラーレン 1:17.769
5 E.オコン アルピーヌ 1:18.018
6 F.アロンソ アルピーヌ 1:18.078
7 L.ハミルトン メルセデス 1:18.142
8 V.ボッタス アルファロメオ 1:18.157
9 D.リカルド マクラーレン 1:18.379
10 M.フェルスタッペン レッドブル 1:18.823
11 S.ペレス レッドブル 1:18.516
12 周冠宇 アルファロメオ 1:18.573
13 K.マグヌッセン ハース 1:18.825
14 L.ストロール アストンマーチン 1:19.137
15 M.シューマッハ ハース 1:19.202
16 角田裕毅 アルファタウリ 1:19.240
17 A.アルボン ウィリアムズ 1:19.256
18 S.ベッテル アストンマーチン 1:19.273
19 P.ガスリー アルファタウリ 1:19.527
20 N.ラティフィ ウィリアムズ 1:19.570

ラッセフェラーリ勢を抑えて初のポール・ポジションを獲得!!



・フェルスタッペンは最終ラップをトラブルでアタック出来ず!ペレスもQ2敗退のためレッドブルは10、11番手に沈んだ。


・アルファタウリも惜しくも揃ってQ1敗退となってしまった!



・抜きづらいハンガロリンクなので、ラッセルはフェラーリからトップの座を守ることが出来るかが見どころ!


フェラーリ同士の争いもどうなるか??自由にバトルさせるのか、それとも??、、、、